太陽光発電施設が計画され、伐採が進む山林(大津市国分2丁目)

太陽光発電施設が計画され、伐採が進む山林(大津市国分2丁目)

 大津市国分2丁目の山林で民間事業者が進めている太陽光発電施設計画について、地元住民が3日、滋賀県と大津市に工事許可の取り消しなどを求める審査請求を行った。住民側は樹木の伐採で土砂災害が誘発される可能性があると訴えており、県と市の審理員が内容を精査した上で、第三者でつくる行政不服審査会が審査する。

 請求したのは国分2丁目の住民55人。大阪市の事業者が約2万9千平方メートルに太陽光パネル約5500枚を設置、約1200キロワットを発電する計画で、県が林地開発の許可を3月22日に、市が設備設置と工事の許可を6月11日に出した。

 住民側によると、伐採で土砂崩落や水害が誘発される可能性があるほか、太陽光パネルの照り返しによる気温上昇など、住環境に深刻な影響があるとしている。同計画が明らかになった2016年以降、地元では反対運動が起き、住民説明会や書面を通じて事業者と話し合ってきたが、折り合いがつかないまま県と市が許可を出したという。

 国分2丁目の計画地の近くでは、13年に台風による土砂崩れが発生している。

 太陽光発電施設を巡っては、政府が脱炭素化・再生可能エネルギー普及の一環で建設を推進する一方、適地が限られていることから、反対運動やトラブルが全国で相次いでいる。大津市内では真野普門3丁目の休耕地でも別の事業者による太陽光発電施設計画(約1万7600平方メートル、約1350キロワット)があり、住民から気温の上昇などを懸念する声が上がっている。

 審査請求した国分2丁目の住民の男性(78)は「法律や条例の下で県民、市民の生命、財産を守るのが行政の役割。県と市がそれぞれ許可を出すまでの過程に不備がなかったか、もう一度調べてほしい」と話している。