金メダルへ決意を強める競歩・山西利和(2021年2月撮影)

金メダルへ決意を強める競歩・山西利和(2021年2月撮影)

山口雄也さんが歩行訓練の様子を発信したツイッター画面

山口雄也さんが歩行訓練の様子を発信したツイッター画面

 20キロ競歩で金メダルを目指す山西利和(堀川高―京大出)は5日のレースで後輩の思いを背負って歩くつもりだ。今年6月、急性骨髄性白血病のため23歳で亡くなった山口雄也さん。山西の2学年下で、堀川高陸上部で一緒だった。

 京大の学生時代にがんを患い、闘病の様子をSNSで発信し続けた山口さん。東京五輪への思いもネットでつづっている。2019年6月20日には、陸上男子100メートル決勝や男子400メートルリレー決勝のチケットが当選した喜びを記した。

 今年3月21日には「目下の目標はチケットを複数枚持っている、今夏のオリンピックの観戦です(オリンピック、さんざんの言われようですが、僕は結構楽しみです。出場が内定している高校の先輩がコロナ禍もずっと頑張っておられるのを見てきたので)」。

 山口さんは高校時代、400メートル障害や1600メートルリレーで府下大会に出場。山西は入院中の山口さんを同期とともに見舞ったことがある。東京五輪について会話を交わしたことはないが、山口さんが亡くなる前にツイッターに投稿した歩行訓練の動画を記憶している。一歩、一歩、懸命に足を運ぶ姿だった。

 勝負に挑む山西に、山口さんへの思いを聞いた。「僕は勝手に彼の気持ちを背負って歩こうと思います。本人は『勝手に背負わないでくださいよ』と怒るかもしれないけど」。笑顔の中に静かな決意を見た。