男子20キロ競歩で先頭争いをする山西(中央)=5日午後4時34分、札幌市

男子20キロ競歩で先頭争いをする山西(中央)=5日午後4時34分、札幌市

 東京五輪の陸上男子20キロ競歩が5日、札幌市内で行われ、京都府長岡京市出身の山西利和(愛知製鋼、堀川高-京大出)が銅メダルを獲得した。京大出身者の五輪メダル獲得は、1936年ベルリン五輪三段跳び金の田島直人、同銀の原田正夫以来、85年ぶり。


 山西は序盤から先頭集団に加わり、途中からは2位グループで様子をうかがった。再び先頭争いを演じたが、18キロ過ぎから次第に離され3位となった。最後に日本勢を突き放したスタノ(イタリア)が初優勝。2位には池田向希(旭化成)が入った。


 山西はレース後、「ラスト2、3キロがポイントだと思っていたが、無駄な力を使いすぎた。15キロで周りを振り払って逃げ切るイメージだったが、余力がなくなっていた。ここで金を取るためにこれまでやってきた。日本の競歩チームとしても残念」と話した。


 陸上の長距離種目に取り組み始めた長岡第三中(長岡京市)では京都府大会にも進めず、競歩を始めたのは堀川高から。船越康平監督(現京都工学院高教頭)の情熱的な指導を受け、高校日本一に向け練習を重ねた。試合での課題を生かして着実に成長、2年夏の全国高校総体で2位。3年で世界ユース選手権金メダル、全国高校総体も制した。京大でも階段を一段ずつ上がるように記録を伸ばした。


 レースを想定して練習を組み立て、世界大会で確実に力を発揮する冷静さが際立つ。ユニバーシアードで「金」、アジア大会でも「銀」を獲得。2019年秋の世界選手権でついに世界頂点に立ち、いち早く東京五輪代表の座をつかんだ。


 1年間の五輪延期にも動じず、心身を整えてきた。今年2月の日本選手権20キロ競歩では大会新で2連覇。5月には1万メートル競歩で自己ベストを更新するなど、着実に大舞台への準備を積み上げた。


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 やまにし・としかず 1996年、長岡京市出身。堀川高で競歩を始め、3年で全国高校総体優勝、世界ユース選手権金メダル。京都大工学部に現役合格し、4年のユニバーシアード大会20キロ競歩で金メダル。2018年春に愛知製鋼に入社し、19年10月の世界選手権20キロ競歩で日本人初の優勝を果たし、東京五輪代表に決まった。