マラソン代表選考会を前に笑顔を見せる(左から)安藤、福士、一山=2019年7月、京都市南区・ワコール本社

マラソン代表選考会を前に笑顔を見せる(左から)安藤、福士、一山=2019年7月、京都市南区・ワコール本社

 7日に実施される東京五輪の陸上女子長距離種目に京都を拠点とするワコールの2選手が挑む。マラソン代表の一山麻緒(24)と1万メートルの安藤友香(27)。ともに憧れの選手はワコールの先輩で、前回五輪まで4大会連続出場した福士加代子(39)だ。「レジェンド」である先輩の背中を追いかけて成長してきた2人。今回は出場を逃した先輩の思いも胸に快走を誓う。

 高校を卒業して入社した一山は1年目から、同じように18歳で入った福士の当時の練習メニューをなぞるようにトレーニングを重ねた。厳しい姿勢で取り組む後輩を見た福士は「これからは一山がやると思うよ」と太鼓判を押し、「スピードを上げる時は勇気を持って、一気に出なきゃだめだよ」などとレース展開の駆け引きを助言した。


 一山は福士と同じように駅伝で頭角を現すと、マラソンは2020年3月の名古屋で日本人国内最高記録をたたき出して優勝し、初の五輪切符を手に入れた。目標の選手に日常から接し「福士さんは大切な試合にきちっと合わせてくる。落ち込むこともあるんだろうけど、基本的には笑っていてすてきだなと思う」。


 安藤は2019年2月に他チームから移籍してきた。ワコールを選んだのも、マラソン合宿などで交流があった福士の存在が大きったという。レースで抜群の強さを見せながら、練習や普段の生活では自分の弱さを隠さない姿に感銘を受けた。「私は強がっていた。弱さを知って、どう乗り越えていくかを学んだ」と安藤。5月の日本選手権1万メートルでは周回遅れになっても懸命に走り続ける福士の姿を見て奮起し、日本代表切符を得た。


 3人を指導する永山忠幸監督(61)は「2人の練習は、福士の練習メニューがベースになっている。(福士が)礎を築いてくれた」とねぎらう。エースの心意気は確実に受け継がれ、福士は「うちのチームはすごいなと思いますね」と後輩の挑戦を楽しみにしている。