紙パック入りの飲料水。シンプルな発想ながら、日本にこれまでなかった商品を販売するハバリーズ(京都市下京区)を、26歳で創業したハバリーズ社長の矢野玲美さん。環境への配慮から社会全体で進む「脱プラスチック」も追い風となり、事業開始から1年で官公庁や高級ホテルなど幅広い取引先を獲得した。

 大分県の祖母が水源を所有していたため、水のビジネスは身近な存在だった。祖母は直売所などで飲料水を販売していたこともある。母もこの水源を生かし、ペットボトル飲料水メーカーのアクアテック羽馬禮(はばれい)(同)を2012年に創業した。

 自身は大学在学中に技術系商社のスタートアップで社会人としての一歩を踏みだし、アラブ首長国連邦(UAE)ドバイなどへ日本の技術力を売り込んだ。母が設立した羽馬禮で営業を手伝っていたが、18年に経営を引き継いだ。

 本格的に「水」と向き合うようになって見えてきたのは、業界が抱える課題だった。商社に比べてメーカーの立場は弱い。特に羽馬禮のようにOEM(相手先ブランドによる生産)主体の場合、商品に違いを出すのは難しく、激しい価格競争にさらされる。

 打開策を考えていた時、欧州の空港で偶然、紙パック入りの飲料水を見かけた。「日本でも官民で環境に配慮する動きが……