「ショーケン」こと萩原健一さんは大麻の不法所持で執行猶予3年の判決を受けた後、頭を丸めて京都・嵯峨の天龍寺に入った▼瀬戸内寂聴さんが掛け合っての特別な計らいだが、早々に修行中の作業で水道管を壊したり、夜に抜けだし祇園に通ったりした▼そんなエピソードを、お二人は共著「不良のススメ」で語り合っている。禅宗の作法は<僕には合わなかったな>と言えば<あなたはどこでも合わないわよ(笑い)>▼その見立て通り、ショーケンは自分を変えないし、変えられない。10代でグループサウンズ「ザ・テンプターズ」のボーカルとして人気の頂点にいたが、かわいい衣装を着せられ、気に入らない曲を歌わされるのが我慢できなかった▼1970年代に俳優に転じても同じだ。ドラマ「太陽にほえろ!」のマカロニ刑事役で注目されたが、52話「マカロニ死す」で姿を消す。立ち小便後に強盗に刺殺される壮絶な場面を記憶する人もいるだろう。実はやりたいことができないと降板を申し出、犬死ににしてくれと意見を通したという▼俳優としての追究心は半端でなく、数々の映画賞に輝いた。一方でスキャンダルを繰り返す。不良の純粋さとアンチヒーローの姿に、同時代を生きた多くの人が引きつけられた。68歳、早すぎる死を惜しむ。