展示される大槻さんの作品

展示される大槻さんの作品

「入居者の元気さに魅入られて、私も元気をもらいました。絵を見に来て頂ける方々にも元気になってもらえれば」話す大槻さん(綾部市内)

「入居者の元気さに魅入られて、私も元気をもらいました。絵を見に来て頂ける方々にも元気になってもらえれば」話す大槻さん(綾部市内)

 学校に行けず言葉を持たなかった高齢のろう者たちが手話を学び、生きる姿を描いた絵画25点が11月2日から、京都府綾部市内で展示される。描いたのは綾部出身の女性。「手話で言葉を交わす喜びを伝えたい」と話す。

 大槻小百合さん(55)。綾部市大島町出身で現在は淡路島(兵庫県洲本市)で暮らす。15年前、特別養護老人ホーム「淡路ふくろうの郷」(洲本市)でボランティアを始めた際、ろうの入居者たちと出会った。

 戦前はろう者の就学は義務化されておらず、入居者の多くは未就学で口語も読み書きもできぬまま、戦後を生き抜いてきた。淡路ふくろうの郷で初めて手話を覚え会話を楽しむ姿に、自身もろう者である大槻さんは引き込まれ、いつしか油絵で描くようになった。

 覚えたての手話で生き生きと会話する高齢女性、人生の深いしわが刻まれた102歳のおだやかな横顔、学校に行けない中で身につけた針仕事を楽しむ様子…。作品25点の1枚1枚にそれぞれの人生がにじむ。

 入居者の中には、80歳を過ぎてから自分の名前を手話で初めて人に伝えられた女性もいる。大槻さんは「哀しみや絶望を希望と幸せに変えようと懸命に生きてきた人たち。これからも一人一人の人生を描いてゆきたい」と話す。

 作品展「手話この魅力ある言葉~大槻小百合と綾部のなかま達展」は11月2~4日、綾部市青野町のグンゼ博物苑集蔵で開催。午前10時半~午後4時半(4日は午後3時まで)。綾部市内の障害者の絵画も展示する。無料。