夏休み中も観光客の姿がまばらな南禅寺周辺(11日午後、京都市左京区)

夏休み中も観光客の姿がまばらな南禅寺周辺(11日午後、京都市左京区)

夏休み中も観光客らの姿がまばらな平安神宮周辺(11日午後、京都市左京区)

夏休み中も観光客らの姿がまばらな平安神宮周辺(11日午後、京都市左京区)

 新型コロナウイルスの感染「第5波」が、京都の夏の観光を再び冷え込ませている。全国的な感染の急拡大でホテルや鉄道、タクシー各社では予約のキャンセルが相次ぎ、わずかな望みをつないできた帰省需要も雲散霧消しつつある。

 京都市内の事業者は31日までのまん延防止等重点措置適用期間中、京都府から酒類提供停止や営業時間短縮を求められている。飲食サービスが売りの高級ホテル店は手足を縛られている。ビジネスホテルなどは格安料金を設定し「投げ売り状態」(業界関係者)のところも多い。リーガロイヤルホテル京都(下京区)によると、第5波が鮮明になってからの1週間で宿泊予約の取り消しが1割増えたという。「お客様によって判断が分かれている」と分析し、独自の宿泊プランの企画やルームサービスの拡充に知恵を絞る。

 タクシー大手の彌榮自動車(同)は、数十件入っていた首都圏からの修学旅行生の貸し切り予約が8月以降、全てキャンセルになった。いずれも春から夏に日程を延期していた学校といい、同社は「団体旅行シーズンとなる9、10月も状況が見通せない」と苦慮する。

 京都は首都圏からの旅行者が多いだけに打撃が大きい。市観光協会は「府県をまたぐ移動の自粛要請も影響し、回復の兆しが見えない。今後より強い内容の要請が出れば人の動きが止まり、一段と厳しい状況になるだろう」と懸念する。

 「正直言って困った。7月以降は回復を期待していたので非常に残念だ」

 JR東海の金子慎社長は今月4日に大阪市内で開いた記者会見で厳しい表情を浮かべた。第5波に伴う緊急事態宣言が東京や大阪などに発令されてから、東海道新幹線の旅客輸送が一段と落ち込んだためだ。

 鉄道各社はコロナ禍2年目となる今夏の需要回復を願っていたが、第5波によって目算が狂った。全国の知事らが帰省の自粛を呼び掛けたこともあり、3連休の初日だった今月7日の同新幹線の自由席乗車率は70~10%と低迷した。