LGBTなどマイノリティーが生きやすい社会を目指し、動画発信を始めたトランスジェンダーの大嶋さん(東京都渋谷区)

LGBTなどマイノリティーが生きやすい社会を目指し、動画発信を始めたトランスジェンダーの大嶋さん(東京都渋谷区)

バニーズ京都SC時代の大嶋さん(上)と大川さん

バニーズ京都SC時代の大嶋さん(上)と大川さん

バニーズ京都SC時代の大嶋さん

バニーズ京都SC時代の大嶋さん

 日本女子サッカーリーグ(なでしこリーグ)・バニーズ京都SC(昨季で活動休止)の元選手が引退後に性別適合手術を受け、LGBTなど性的少数者が生きやすい社会になることを目指して活動している。同じトランスジェンダー男性の元サッカー選手らとユーチューブのチャンネルを開設。東京パラリンピックの聖火ランナーを務めることになり、「多様性を伝えたい」と意気込む。

 神奈川県藤沢市の大嶋悠生(ゆう)さん(34)。なでしこ2部だったバニーズでは、「大嶋さゆり」の名前で2014、15年に在籍した。幼い頃から性に違和感があり、退団後の27歳の時にホルモン治療を開始。家族や仲間には以前からトランスジェンダーであると告げていたが、就職活動をする中でショックを受ける出来事が続いた。

 履歴書の性別欄に女性と書くと、面接担当者から「見た目は男性だけど、女性?」「事情を話して」と言われた。内定取り消しも経験。交際していた女性には「生まれた時の性別を考えてしまった」と別れを告げられた。

 29歳で性別適合手術を受け、名前と戸籍を変更。ワーキングホリデーでオーストラリアに滞在した。多様な人種や文化を受け入れて暮らす人々と接し、ある思いが芽生えた。

 「いろいろな人が生きやすい社会をつくりたい」

 帰国後、LGBT向けの求人サイトや企業研修を手がける東京都内のベンチャー企業で職を得て、営業部門の責任者になった。さらに「社会に変化を起こすには当事者以外も巻き込む必要がある」と今年6月、バニーズでチームメートだった大川政美さん(30)=埼玉県=らトランス男性2人と「ミュータントウェーブ」というグループを結成。8月から動画配信を始めた。男性種別の競技にも体当たりで挑んだり、LGBTのファッションショーに出演したりする様子を発信する予定。

 東京五輪ではトランスジェンダー選手の出場が話題となり、LGBTをカミングアウトする選手も増えた。パラの聖火ランナーとして出身地の埼玉県を走る予定で、「見た目も性別も変わったけど、京都でお世話になった人に『あいつ頑張っているな』と思ってもらえたら」と話す。

 動画は「ミュータントウェーブ」で検索。活動を支援してくれるスポンサーも募っている。