シカの食害で下草が消失した芦生の森の現状を説明する京都大芦生研究林の石原准教授(京都府南丹市美山町・京都丹波高原国定公園ビジターセンター)

シカの食害で下草が消失した芦生の森の現状を説明する京都大芦生研究林の石原准教授(京都府南丹市美山町・京都丹波高原国定公園ビジターセンター)

 京都大芦生研究林の(京都府南丹市美山町)の100周年を記念し、同研究林長の石原正恵准教授が、同町安掛の京都丹波高原国定公園ビジターセンターで「未来へつなぐ芦生研究林」と題して講演した。珍しい植物の発見が続く一方で、シカの食害が深刻化している現状に懸念を示した。

 講演で石原准教授は、森では千種類以上の植物が見つかっており、北近畿初となったフガクスズムシソウやキイロスッポンダケなど近年貴重な発見が相次ぐとして「芦生の森を守ることは希少種を守ることにつながる」と強調した。

 樹齢200年を超える木々が存在する一方で、若木が育っていない現状や20年以上にわたりシカの食害に悩まされ、下草がなくなっている状況も説明。「植物の多様性が減り、森が豊かでなくなる」と危機感を表した。

 芦生研究林が4月に100周年を迎えたことを記念し、京都丹波高原国定公園ビジターセンター運営協議会と京大フィールド科学教育研究センターの主催で12日に実施、15人が参加した。芦生の森のVR(仮想現実)体験会もあった。