全国の家裁が作成した成年後見制度の申立書

全国の家裁が作成した成年後見制度の申立書

 滋賀県は、認知症や知的、精神障害などで判断能力が十分でない人に代わって裁判所が選んだ専門家や親族らが金銭管理や契約行為をする「成年後見人制度」に関するアンケート調査を行い、このほど結果を明らかにした。障害のある人が入所する福祉施設から「後見人がほとんど面会に来ない」との回答がある一方、後見人からは当事者との意思疎通に悩む回答もあり、制度の課題が浮かび上がった。

 結果を受けて、滋賀県は後見人の支援体制の強化を目指すとしている。

 成年後見制度を巡っては、親族以外の第三者が後見人に選ばれるケースが増える一方、被後見人や家族の視点が乏しくなりがちとの指摘がある。県は昨秋、県内の障害者支援施設と、後見人を務める司法書士や社会福祉士ら専門職にアンケート調査を行い、22施設と66人の専門職から回答を得た。

 施設側からは、専門職の後見人の役割を評価する記述があった半面、「一部の後見人を除いてほとんど面会もなく、定期的な支援状況の確認もない」「(生活を支援する)身上監護は(後見人の)仕事ではないと言われる」などの指摘があった。

 専門職の後見人からは、財産管理や契約などの法律行為以外も支援を行っているとの回答が9割に上った。ただ、面会の頻度は月1回程度との回答が最も多く、年1回未満もいた。「意思疎通が困難で、本人の思いをくみ取った支援ができない」との記述もあった。

 滋賀県は「必要とする人の状況に応じた後見人が、必ずしも選任されていないケースがある」としている。

 調査結果は、このほど行われた県議会一般質問で示された。県は今後、福祉団体や家庭裁判所、専門職団体の関係者などによる連携体制づくりを目指し、情報交換や勉強会を新年度に開くとしている。