【資料写真】大津地裁(大津市)

【資料写真】大津地裁(大津市)

 滋賀県竜王町の名神高速道路で6月に大型冷凍車が渋滞最後尾の乗用車に追突し6人が死傷した事故で、自動車運転処罰法違反(過失致死傷)の罪に問われた運転手の男(33)の論告求刑公判が30日、大津地裁(齊藤隆広裁判官)であり、検察側は禁錮6年を求刑した。被害者参加制度を使って2人の遺族が意見陳述し、残された家族らの悲しみや厳しい処罰感情を涙ながらに語った。

 乗用車の後部席にいたアルバイト女性(23)を亡くした母親は、女性が事故の1カ月後に結婚式を控えていたことを明かした。「娘は新生活や出産などを夢見て、指折り数えて楽しみにしていた。命ともども一瞬で崩れ去った」と声を詰まらせた。事故後、婚約者が不眠や食欲不振になるなど周囲の生活は一変したといい、「現実を受け止めきれず、毎日苦しんでいる。最大限、重い刑で償ってほしい」と厳罰を求めた。
 当時4歳の男児を残し、命を落とした専門学校生の女性(24)の母親は、遺体と対面した時について「違う人であってほしいと願っていた。顔には事故の傷が見て取れ、思わず悲鳴を上げた」と振り返った。事故後、男児を引き取り育てているといい、「孫は娘を星に見立て、夜になると『ママおるか見に行こう』と外へ誘ってくる。娘はどれほど心残りか。娘を返してください」と涙声で訴えた。
 検察側は論告で、男の居眠り運転や速度超過などを指摘し、過失の程度は極めて大きい、と主張した。弁護側は情状酌量を求めた。判決は11月20日。
 起訴状などによると、男は6月13日午後1時10分ごろ、竜王町の名神高速で、「東北第一物流」(山形市)の冷凍車を運転中、渋滞最後尾で低速走行していた乗用車に追突。乗用車の男性(27)ら3人を死亡させ、2人に重軽傷を負わせた、としている。