巡行以外で初の「外出」のため、函谷鉾保存会役員らに抱えられ運ばれる「嘉多丸君」(31日午前11時5分、京都市下京区四条通烏丸西入ル)

巡行以外で初の「外出」のため、函谷鉾保存会役員らに抱えられ運ばれる「嘉多丸君」(31日午前11時5分、京都市下京区四条通烏丸西入ル)

 祇園祭の函谷(かんこ)鉾(京都市下京区)の稚児人形「嘉多丸君(かたまるきみ)」が31日、京都文化博物館(中京区)での展示のため1839(天保10)年の制作以降、巡行以外で初めて町外へと「外出」した。普段着の嘉多丸君は函谷鉾保存会の役員らに慎重に運ばれ、同館に向かった。

 嘉多丸君は祇園祭の稚児人形の先駆けとされ、身長約120センチ。稚児人形制作の依頼を受けた仏師七条左京が、昭憲皇太后の兄で当時子供だった一条実良(さねよし)(1835~68年)をモデルに手がけた。通常は蔵のある函谷鉾ビルに安置され、前祭(さきまつり)巡行でのみ鉾前部に乗り京の町へと出掛ける。祇園祭が始まって1150年の節目であり、嘉多丸君制作180年でもあることから、同館の「祇園祭―函谷鉾の名宝」展での陳列が決まった。

 嘉多丸君の移動は、ほかの展示品の積載が終わった後に始まった。普段着の青い着物に、はかま姿の嘉多丸君は函谷鉾保存会の役員らが押す台車に乗せられビルを出て、抱きかかえられトラックに乗った。

 「函谷鉾の名宝」は6日から6月16日で、嘉多丸君は5月12日までの前期のみ展示(毎週月曜と5月7日休館。4月29日と5月6日は開館)。入場料が必要。