商品とともに火災予防のチラシを顧客に手渡すヤクルトレディの松岡さん(右)=京都市南区西九条

商品とともに火災予防のチラシを顧客に手渡すヤクルトレディの松岡さん(右)=京都市南区西九条

 勤務中に防火や防災の広報を担う消防団員が、京都市南消防団で増えている。飲料の配達員やホテルの従業員たちで、加入によって同消防団は定員100%を達成。他の団員が手薄になりがちな日中の時間帯を地域密着でカバーし、救護などでの活躍も期待されている。

 10月中旬、乳酸菌飲料「ヤクルト」の販売員「ヤクルトレディ」の松岡明恵さん(47)が南区にあるマンションの一室を訪れた。顧客との会話を弾ませながら、商品とともに住宅用火災警報器のチラシを手渡した。
 松岡さんら「京滋ヤクルト販売」(南区)の女性スタッフ17人は今年4月、消防の広報に重点を置く「予防広報班」として南消防団に入団。日頃から地域を回っている強みを生かそうと、南消防署の呼び掛けに応じた。ヤクルトスタッフとの連携は、市内では伏見消防団に続き2例目。
 制服に消防団員の名札を付け、バイクには火災予防のステッカーを貼る。1日40~50軒を訪問する松岡さんは「一人暮らしの方が多く、健康面や火の元、台風のことなど、何気ない会話の中で注意を促すよう心掛けています」と話す。
 防火に関する研修を終え、今後、自動体外式除細動器(AED)の使い方や止血などを学ぶ救急講習も受ける予定だ。応急救護セットもバイクに備え、負傷者を見つけた時は迅速に対応できるようにする。
 「都ホテル京都八条」の従業員5人も予防広報班として入団した。地域の事業所が集う「南区自衛消防隊訓練大会」で、昨年まで3年連続で消火器と救急の部門で優秀な成績を収めている。ホテルの担当者は「多くのお客さまがいらっしゃるので広報には有効な場所」とし、春や秋の火災予防運動にも積極的に参加していくという。
 新戦力の加入で、南消防団は定員(310人)100%を達成した(10月1日現在)。南消防署は「日中は仕事がある団員が多く、(予防広報班の)存在は心強い。ただ100%に満足せず、各地域の分団員も充実させたい」としている。