被災した子どもたちの絵と副校長の詩で構成した詩集絵本。日本販売分には日本語訳も付く

被災した子どもたちの絵と副校長の詩で構成した詩集絵本。日本販売分には日本語訳も付く

ラオスの子どもたちと絵本を作った渡邉さん(京都市中京区)

ラオスの子どもたちと絵本を作った渡邉さん(京都市中京区)

 ラオスの学校への図書室整備に取り組むNPO法人「ラオスのこども」(東京都大田区)が、2018年のラオスのダム決壊事故を題材とした詩集絵本を作った。京都市左京区のNPO職員らが、現地で被災した子どもたちと話し合いながらまとめた。今後、現地の学校に配布して防災教育に役立てるとともに、日本でも販売し売上金を支援活動に充てる。

 事故は18年7月23日、ラオス南部で発生した。韓国企業などが建設していた水力発電ダムが豪雨で決壊し、激流が下流の19村約3500世帯、約1万4千人を襲った。流された川沿いの町の多くは、川から離れた場所で再建中という。

 ラオスのこどもは、被災直後から避難所への子ども用品支援などに取り組んできた。19年5月、支援してきた被災地アタプー県のサナームサイ中等学校の副校長から「悲しい記憶を何らかの形で残したい」と詩を託された。

 詩は被災当時のことを詠んだ「哀(かな)しみの夜」と、暮らしを奪ったものの、ふるさとの川に親しみを込めた「セピアン川はまだ待っている」の2編で、副校長は「被災から1年たち、ようやく言葉にできた」と説明。ラオス駐在のNPO職員渡邉淳子さん(46)=京都市左京区=は「感じたことを表現することで、子どもたちも被災から立ち直り、次に向かっていけるのでは」と絵本作りを発案した。

 日本の高校生に相当する同中等学校5~7年の有志36人が絵本作りに参加した。詩の朗読会を行って思いを共有した上で、自由に絵を描いた。

 被災で父を亡くした女子生徒が、木の上に避難した自分と濁流に流されていく家の絵を描いたのをはじめ、生徒らは町のシンボルである寺院が流されていく様子など自ら目撃した状況や、心に残る被災前の美しい町の姿などを描いた。詩の場面に合わせて絵を選び、今年4月、40ページの詩集絵本が完成した。

 渡邉さんは「被災地はラオスの中でも貧しい地域で、水害も頻発している。今後、絵本を使いながら子どもたちに水害への備えを教え、防災マップ作りなどにも取り組みたい」と話している。

 絵本は2千部をラオスの学校に寄贈し、500部を販売する。詩はラオス語と英語でつづられており、日本販売分には日本語訳リーフレットを付ける。1部1400円。問い合わせはラオスのこども03(3755)1603。