家族に愛情を注がれたネコを描くことで、「コロナ禍でも豊かな時間を過ごせた」と話す坂口さん(京都市東山区・集酉楽サカタニ)

家族に愛情を注がれたネコを描くことで、「コロナ禍でも豊かな時間を過ごせた」と話す坂口さん(京都市東山区・集酉楽サカタニ)

14年前、坂口さんの実家に迷い込み、短い命を生きた子猫の「ナナちゃん」

14年前、坂口さんの実家に迷い込み、短い命を生きた子猫の「ナナちゃん」

 家族に愛されるネコたちの「肖像画」を描く坂口香織さん(45)=大津市=の個展が、京都市東山区七条通本町西入ルの集酉楽サカタニで開かれている。家族として大切に飼われているネコや、短い命を懸命に生きた子ネコなど10匹を丹念に描き、坂口さんは「飼い主の深い愛情や慈しみを感じてもらえたら」と話す。

 坂口さんは京都精華大卒業後に美術の教員などを務め、現在は障害者施設で働く。昨年に趣味として油絵を始め、当時この世を去ってしまった実家のネコを描いてみたところ、「生きていた姿を思い出しながら、とても豊かな時間を過ごすことができた」。

 そこから、家族と幸せに暮らすネコを題材にするように。モデルにするネコは飼い主に写真を提供してもらい、艶やかな毛並みや生き生きとした瞳を精緻に再現した。

 展示作品の「ナナちゃん」は、14年前に坂口さんの実家で飼われた子ネコ。ボロボロの姿で家に迷い込み、数週間で命を落としてしまったが、両親がネコを飼うきっかけになった大切な存在だ。一時期だけ元気を取り戻した姿が古い携帯電話の写真に残されており、それを元に愛らしい姿をよみがえらせた。

 坂口さんは「飼い主が写真を撮る視点にも愛情を感じ、描くことで幸せな時を過ごせました」とほほ笑む。会場には10作品を展示。午前10時~午後6時。月~水曜休み。29日まで。