入管難民法改正案に反対し、河原町通をデモ行進する市民(5月16日 京都市中京区)

入管難民法改正案に反対し、河原町通をデモ行進する市民(5月16日 京都市中京区)

 名古屋出入国在留管理局の施設でスリランカ人のウィシュマ・サンダマリさんが死亡した問題で、遺族らがウィシュマさんの様子を記録した行政文書の開示請求を名古屋入管にしたところ、ほぼ真っ黒に塗られた資料が送られてきた。

 遺族と弁護士らが17日夕に東京都内で開いた記者会見で明らかにした。

 資料は看守の勤務日誌や面会簿など約1万5千ページ。タイトルや決裁印以外は黒塗りだった。開示費用は約16万円。

 ウィシュマさんの妹ポールニマさんは「姉は入管で殺された。それを隠したくて黒塗りにした」と怒りをあらわにした。

 遺族らは会見場の壁一面に黒塗りの資料を張り出した。じっと見ていると「おまえたちなどに見せるものか」という意思が伝わってくるようだ。薄気味悪くなった。

 不可解なのは、今月10日に入管が公表した調査報告書に記されていることも黒塗りだったことだ。当局は「行政機関の意思決定の中立性が損なわれる」というが、人が一人亡くなった事案で、この説明はないだろう。

 そもそもウィシュマさんの問題で浮上しているのは、令状不要で裁判も経ず人を長期にわたって拘束できる入管行政がこれでいいのか、ということだ。

 遺族代理人の指宿昭一弁護士は「真っ黒な紙は入管の闇を表している」と指摘した。その通りだと思う。