草津産のアスパラガスを使ったサンドイッチ(草津市下笠町・草津あおばな館)

草津産のアスパラガスを使ったサンドイッチ(草津市下笠町・草津あおばな館)

春の日差しを浴びて力強く伸びるアスパラガス。ビニールハウスで育てた分、甘みが強く、柔らかい(草津市北山田町)

春の日差しを浴びて力強く伸びるアスパラガス。ビニールハウスで育てた分、甘みが強く、柔らかい(草津市北山田町)

 近畿最大級とされる2千棟以上のビニールハウスが立ち並ぶ草津市北山田町。この時季、ハウスの中は春の息吹に包まれる。足元には緑色のアスパラガス。陽光を浴び、土を押しのけるように力強く伸びていた。

 「そのまま食べてみて」。宇野日出樹さん(44)は4センチほど顔を出した茎を指さした。色はピンクがかっている。ポキッと根元から折り、そのまま一口。柔らかくてみずみずしく、かめばかむほどに甘みを感じられた。

 2014年、農家5人で栽培を始めた。宇野さんは「最初はつまようじみたいなのが生えてきて、どうなるのか不安だった」。室温管理をはじめ、肥料や水のやり方など試行錯誤を重ね、「太いのが出てきた時は感動した」と笑顔で振り返る。

 アスパラに目を付けた理由には、新規就農者を応援したいという思いがあった。「体一つで作業ができる。新たに農業をする人も始めやすいからね」。16年には草津ブランド認証品に選ばれ、現在は8軒で年間約10トンを生産する。JA草津市の農産物直売所「草津あおばな館」(下笠町)や「アル・プラザ草津」(西渋川1丁目)などで販売している。

 魚粉肥料を使っているのが特徴で、生でも安心して食べられるように農薬はほとんど使わない。魚粉は価格こそ高いが、うまみ成分であるアミノ酸が豊富。昨年、初出荷した木村耕司さん(42)は「アスパラは肥料に敏感。手を掛けただけおいしくなるのでやりがいがある」。

 あおばな館内にあるカフェ「NICOLAO(ニコラオ)」のオーナー板東寛史さん(39)もおいしさに魅せられた一人だ。ゆでたアスパラとベーコン、卵を挟んだサンドイッチを今年も28日から販売する。アスパラのみずみずしさや清涼感を引き立たせるよう香ばしいバゲットを使用した人気商品で、「新鮮な野菜を手軽に食べてもらい、農家の皆さんの熱意に応えたい」と話す。

 草津産アスパラの商品名は「琵琶湖 元気アスパラ」。消費者と生産者、地域を元気にしたい-。そんな願いが込められている。名付け親の宇野さんは語る。「1人じゃできないことも、手を取り合えばできる。将来を見据え、地域の結束や活性化につながる取り組みを続けていきたい」