伴走者と手をつないで走る近藤さん(東京都江戸川区・葛西臨海公園)

伴走者と手をつないで走る近藤さん(東京都江戸川区・葛西臨海公園)

区間の第1走者としてトーチに火をつけてもらい、笑顔を浮かべる井内さん(東京都江戸川区・葛西臨海公園)

区間の第1走者としてトーチに火をつけてもらい、笑顔を浮かべる井内さん(東京都江戸川区・葛西臨海公園)

 東京パラリンピックの聖火リレーに代わる点火セレモニーが21日、東京都内で行われ、全国から集まったランナーたちが聖火をつないだ。ブラインドマラソンで東京大会を目指していた京滋の女性アスリート2人もそれぞれの思いを込めて伴走者と一緒に走った。

 前回リオデジャネイロ大会5位の近藤寛子さん(54)=栗東市=は15日に行われた滋賀県の聖火出立式で火を送り出し、今度は東京でトーチを掲げ、50メートルほどの距離を進んだ。終始笑顔で「滋賀の皆さんの気持ちを一つにして走った」。

 曲折を経てこの日を迎えた。世界選手権を控えていた2年前、乳がんを宣告され手術。1年後、今度は子宮に異常が見つかり卵巣を摘出した。自身を支えていたのは「東京パラに出たい」との一心。その後自己ベストを更新したが、出場権には手が届かなかった。

 新型コロナウイルスの感染急増で、大会の開催に批判的な声があることも理解しているが、「失ったものを嘆くよりも、今あるものを最大限に生かす。そんなパラアスリートの姿を見て欲しい」と声を強めた。

 全盲の井内菜津美さん(31)=宇治市=は、「トーチキス」で火がついた瞬間笑顔に変わった。「(炎の)音もして拍手も起きたので」と振り返り、「見えなくても感じる熱気はこれからも記憶に残り続けていくはず」と感慨を込めた。

 2015年に本格的に競技を始め、昨年2月に全盲のクラスで世界新記録を樹立。聖火ランナーの大役を終え「本当は選手として出たかった。このまま(選手村に)入村しますと言いたかったんですけど」と本音をのぞかせ、「次のパリには絶対に出場したい。京都に帰って明日から練習して強くなれるよう努力したい」と志を新たにした。

 東京都内の聖火リレーは新型コロナの感染拡大で公道走行は中止となった。同様のセレモニーは開会式の24日まで連日開催される。