第4次安倍再改造内閣が9月に発足してから、まだ2カ月も経過していないのに、2人の閣僚が辞任した。 

 閣僚の不適切な発言も相次いでおり、異常事態である。この内閣が今後、職務を遂行できるのか、疑問視せざるを得ない。

 法相だった河井克行氏=衆院広島3区=が、きのう辞任した。

 先週、経済産業相の菅原一秀氏が、有権者に金品を配布した疑惑で辞任したばかりだ。首相の任命責任が問われるのは、いうまでもない。

 河井氏の辞任は、7月の参院選広島選挙区で初当選した妻案里氏の事務所が、運動員に法で定められた額の倍に当たる日当を支払い、自身も有権者に贈答品を配っていたと、週刊誌に報じられた疑惑を受けたものだ。

 事実とすると、これらの行為は公職選挙法に違反する可能性がある、と指摘されている。

 案里氏の選挙運動を、実質的に取り仕切っていたのは河井氏とみられ、責任を免れることはできないだろう。

 政治家として、あるまじき行いであることに加えて、河井氏は法をつかさどる閣僚であっただけに、さらに責任は重い。

 辞任の理由を、「法務行政の公正性に疑念を招くことを避けたい」としたうえで、疑惑については「私も妻も全くあずかり知らない」と強調した。

 そうならば辞任せず、身の潔白を証明すべきではないか。疑惑に関して、一刻も早く、事実関係を明らかにしてもらいたい。

 「任命したのは私だ」と、安倍晋三首相は自らに責任があると認めている。

 内閣改造のたびに、自民党内の派閥への配慮や、側近の重用が指摘されてきた。それでも、9月の改造では、閣僚19人のうち、菅原、河井両氏を含む13人を初入閣させ、「入閣待機組の在庫一掃」だとやゆされた。

 案の定、今回も閣僚が辞任した。過去の任命責任を認めて反省し、組閣のあり方を改めた、とはいえない。「適材適所」との方針を唱えても、むなしく響くだけだ。

 政権交代後の第2次安倍政権は発足以来、6年以上が経過した。首相の通算在職日数は今月、歴代最長となる。菅原、河井両氏とも、政権を支え続ける菅義偉官房長官に近い人物である。

 首相は、長期政権の「緩み」や「おごり」に、正面から向き合う必要があるだろう。