四男はアウギュスト、五女はエレンヌ。歌人の与謝野鉄幹・晶子夫妻は11人の子宝に恵まれた。欧州歴訪後に生まれたからか、この2人だけは外国名だった▼何かと不便だったのだろう。四男は後に名を変えている。古来、奇抜な命名例は少なくないが、「キラキラネーム」改名の先駆けかもしれない▼先月「王子様(おうじさま)」という名の山梨県の高校3年生が改名を裁判所に申し立て、変更が認められた。母親が「唯一無二の王子様のような存在」との思いで命名したそうだ。でも成長につれ、みじめさが蓄積し、新たに人生をリセットする道を選んだという▼歌人の俵万智さんに「とりかえしつかないことの第一歩 名付ければその名になるおまえ」の一首がある。子を持つ親なら誰もが悩む。とりかえしのつかないのが命名だ。親から授けられた名前とは原則、一生付き合っていかなければならない▼さて、来月から付き合うことになる新元号「令和(れいわ)」である。同じ漢字を名前に冠する各地の人たちが早速、キラキラ脚光を浴びる。呼び方は違うものの命名に共通するのは元号同様「幸多かれ」の願いではないか▼入学や就職、転勤と新生活がスタートした4月は名前を書く機会が増える時期である。時代の節目、自分の名に込められた思いに向き合う好機としたい。