根本中堂の参道で咲き誇る伐採前のヤマザクラ(延暦寺提供)

根本中堂の参道で咲き誇る伐採前のヤマザクラ(延暦寺提供)

伐採されたヤマザクラの遺伝子を持つ苗木に土をかける小堀執行(大津市坂本本町・延暦寺)

伐採されたヤマザクラの遺伝子を持つ苗木に土をかける小堀執行(大津市坂本本町・延暦寺)

 延暦寺(大津市坂本本町)の国宝、根本中堂の参道に1本だけ生え、2017年の台風の影響で伐採されたヤマザクラの遺伝子を持つ後継樹が2日、里帰りした。専門機関が接ぎ木して育てた苗木で、同寺関係者は「10年、20年後が楽しみ」と笑顔で迎えた。

 伐採前のヤマザクラは推定樹齢150年の大木で、毎年4月末ごろに見頃を迎えていた。17年の台風21号で倒木の危険が高まり伐採を決定。森林総合研究所林木育種センター関西育種場(岡山県勝央町)に後継樹の増殖を依頼。昨年2月、伐採直前に枝を採取し、接ぎ木して育てた。

 この日、戻ったのは新芽をつけている高さ約0・8~1メートルの苗木7本で、うち2本を元のサクラがあった場所のそばに植樹した。苗木に土をかぶせた小堀光實執行(こうじつしぎょう)(65)は「お帰りなさいという気持ち。お参りされる方の心を洗い、『令和』の新時代にふさわしい、和を感じる花になってほしい」と話した。

 2本は今後、シカよけのフェンスで囲う。5本は比叡山麓の滋賀院で育て、2026年の根本中堂の改修終了後に植え替えを検討する。同センターによると、花が咲くのは5年ほど後という。