英国のウィリアムズの車いす。亡くなった父への思いが片仮名で書かれていた(2021年8月25日、東京都・武蔵野の森総合スポーツプラザ)

英国のウィリアムズの車いす。亡くなった父への思いが片仮名で書かれていた(2021年8月25日、東京都・武蔵野の森総合スポーツプラザ)

    車いすバスケットボール女子英国代表の競技用車いすには、日本語の片仮名で選手名が刺繍(ししゅう)されている。岐阜県のメーカー・松永製作所が用具を提供する縁もあり、東京大会の記念に入れたという。

 3大会連続出場のローリー・ウィリアムズの車いすには、名前に加え「オトウサン イツモ、ソバニイテ」。約2カ月前、最愛の父をがんで亡くした。車体も父の好きだった黄色に塗装し「チームのファンだった父に東京にも来てほしかった」との思いを込めた。

 新型コロナウイルス禍の影響で、英国にとって1年半ぶりの公式戦が、東京大会の本番となった。「安全優先で過ごしてきて、練習試合が十分にできなかった」ともどかしさも語っていた。

 つらい出来事が続いた東京までの道のりは、代表のチームメートで婚約者でもあるロビン・ラブと支え合ってきた。「(東京大会の)この経験を分かち合えてうれしい。彼女がそばにいてくれて私は恵まれている」。特別な2人の存在をコートの中に感じながら、異例の大会を戦い抜く。