【資料写真】講習会で人工心肺装置「ECMO」の使い方などを確認する医療関係者(2020年8月、京都市上京区・京都府立医大)

【資料写真】講習会で人工心肺装置「ECMO」の使い方などを確認する医療関係者(2020年8月、京都市上京区・京都府立医大)

京都府が公表している感染状況の資料

京都府が公表している感染状況の資料

    京都府が公表している新型コロナウイルスの重症者の人数が実数よりも少ないことが26日、京都新聞社の取材で分かった。24日時点で26人としていたが、実際には7人多い33人だった。府は高度重症病床に入院している人数だけを計上し、同病床以外の患者を計上していなかったという。医療体制の逼迫(ひっぱく)度合いが正しく府民に伝わっていなかったとして府は公表方法を改めた。

 府は人工心肺装置「ECMO」(エクモ)か人工呼吸器を使った治療を受けている重症者向けの病床を「高度重症病床」とし、使用率を毎日ホームページで公表している。

 感染の「第5波」で新規陽性者が急増する中、高度重症病床は24日時点で44床のうち26床が埋まり、使用率は59・1%となった。ところが実際には高度重症病床以外の病床で人工呼吸器を装着している重症者が他に7人いたという。

 府健康福祉部は「7人は高度重症病床を使用しておらず、計上すべきではないと考えていた」とする。ただ、結果的に医療現場の実態が正しく伝わっていなかった可能性があり、高度重症病床を持つ府内の病院の医師は「府の公表方法ならいつまでたっても使用率は上がらず、府民に危機感が伝わらない」と憤る。府はこうした運用を8月上旬から続けていたという。

 病院関係者からの指摘もあり、府は26日、高度重症病床で治療中の重症者以外にも重症者がいることをホームページの公表資料に明記した。ただそれらの重症者が高度重症病床で治療を受けていない事実に変わりはなく、高度重症病床の使用率を見直す考えはないという。

 府健康福祉部は京都新聞社の取材に対し「高度重症病床の使用率を意図して低くしていたわけではない。医療現場の実態を踏まえた形で今後は公表する」としている。

 厚生労働省は重症者の定義を▽集中治療室(ICU)患者▽人工呼吸器が必要▽人工心肺装置「ECMO(エクモ)」が必要-のいずれかとしている。京都府は人工呼吸器またはエクモが必要な患者とし、ICUに入っているだけでは重症者には数えていない。