共同開発された長靴や石けん

共同開発された長靴や石けん

 京都府内で農林業に携わる「農林女子」が、現場で感じる苦労や不便を解消しようと企業などと開発した便利機能グッズの商品化が進んでいる。農機具の分野ではこれまであまり重視されてこなかった色へのこだわりもあり、女性ならではの視点から生まれる機能とデザインで新たな需要開拓を目指す。

 このほど京都府庁で開かれた2018年度の商品発表会では、電動アシスト付きの手押し運搬車、カラフルで作業しやすい長靴や足袋型の靴、ネギなどの強い臭いを落とせる石けんが出展された。開発企業や現場の視点で改良点を提案した女性農家らが商品の特長を説明した。

 JA全農京都(京都市中京区)は、収穫した野菜や資材を運ぶ手押しの運搬車に充電式の電動アシスト機能を付け、坂道や重い荷物を載せた時でも女性が簡単に扱えるように改良した。バッテリーは電動草刈り機などと共通にして利便性を高め、女性が親しみやすい淡いピンク色の製品を用意した。

 開発に関わった福知山市の野菜農家、小林加奈子さん(51)は「夏は早朝に収穫することが多く、エンジンは騒音に気を遣う。電動アシストなら静かで迷惑を掛けずに済む」と話した。

 商品開発は18年度が3回目。これまで取り組んだ全11点中、今回の電動アシスト付き運搬車と16年度のバネの力で力仕事を助けるアシストスーツ、17年度の着脱式日焼けカバー付き帽子の3点が商品化された。毎回、農林女子の現場で感じる苦労や楽しく作業するための工夫を出発点に、業者を交えて7~8回集まり、意見交換しながら開発を進めている。

 今回、阪神素地(兵庫県高砂市)は、履き口を片手で絞れるように改良した長靴や色合いを工夫した足袋型の靴を発表した。担当者は「農林女子の皆さんの無理難題に応えたからこそ、いいものができた。今後もあきらめずに無理を言ってほしい」と開発を振り返った。

 同社の長靴や足袋型の靴など、商品化が近いものも3点ある。今後は新たな製品開発に区切りを付け、これまで取り組んできた製品の商品化や農林女子の感想を基にした商品PRに力を入れる。