京都大学

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 新型コロナウイルスに感染した際の免疫反応に個人差が出るメカニズムの一端を解明したと、京都大のグループが発表した。高齢者では、新型コロナに反応する免疫細胞「キラーT細胞」のうち老化して組織を傷つける可能性のあるタイプが多いことが分かったという。成果は、国際科学誌フロンティアズ・イン・エイジングにこのほど掲載された。

 グループによると、従来のコロナウイルスに反応する免疫細胞が新型コロナも攻撃する「交差免疫」の存在は既に報告されている。このため年齢や過去の感染歴で新型コロナへの免疫力に違いが生じ、症状に差が出る可能性が指摘されていたという。

 こうした背景を探るため、京大iPS細胞研究所の濵﨑洋子教授と城憲秀助教らは、20代中心の男女30人と70代中心の男女26人の血液から、それぞれのT細胞の数と機能を分析した。その結果、新型コロナに反応するキラーT細胞の数は、高齢者と若年者で同程度だったものの、老化したタイプの割合は高齢者が多くなっていた。また若年者でもサイトメガロウイルスに感染していると、高齢者と近い割合で新型コロナに反応する老化したキラーT細胞があった。

 濵﨑教授は「実際に老化したキラーT細胞が重症化と関係しているのかはさらなる分析が必要」と指摘。その上で「ワクチン効果に個人差が出ることを示唆する知見だ」と話す。