ビニールハウスでキクラゲを栽培する岸村さん(京都府京丹後市峰山町内記)

ビニールハウスでキクラゲを栽培する岸村さん(京都府京丹後市峰山町内記)

 先天性の心疾患に悩まされていた男性が京都府京丹後市峰山町内記で就農し、キクラゲの栽培を始めた。キクラゲは中華料理で知られるが、輸入が多く国内の栽培は1割程度。栄養価が高く免疫力を上げる効果を持つとされ、6年の準備期間を経て、8月に初めて出荷した。「人の健康に寄与したい」と栽培に情熱を燃やしている。

 岸村功一さん(41)。生まれつき左右の心室を分ける心室中隔に穴が開く心室中隔欠損症を患い、4歳で手術をした。その後大工として働いていたが34歳で再発。一時は多臓器不全に陥り、人工透析を受けるなど命の危機にさらされた。

 入院中、自分が倒れても家族が続けていくことができる職業に就こうと農家になることを決意した。その中でも年中栽培でき栄養価の高いキクラゲの栽培に興味を持った。

 退院後に自宅で300キロほどを生産したがなかなか売れず、正しい栽培方法や販売の仕方を学ぼうと、奈良県五條市の農業法人に就職。3年後の昨年5月に京丹後市に帰郷し、今年7月から栽培を始めた。

 自分で組み立てたビニールハウスの中で約600個の菌床を栽培する。一つの菌床からは4カ月で2キロほどが収穫でき、年間9トンの生産を見込んでいる。柔らかく肉厚なアラゲキクラゲという種類で、珍しい白キクラゲも生産している。

 市内のスーパーや道の駅で販売している。岸村さんは「やっとスタートに立った気分。多くの人にキクラゲの良さを知ってもらえれば」と話していた。