新たに確認された葛飾北斎の肉筆画(京都市中京区・池坊会館)

新たに確認された葛飾北斎の肉筆画(京都市中京区・池坊会館)

 日本を代表する浮世絵師である葛飾北斎(1760~1849年)の肉筆画が新たに2点確認された。最晩年期の色紙サイズの小品で、いずれも軸装。北斎が達した境地が垣間見られるという。2日に京都市内であるシンポジウムで公開される。


 12世紀の歌僧の西行を描いた「富士見西行図」(1848年)と、メバルを描いた「藻魚(もうお)図」(1847年)。西行図は3年ほど前に米国で発見。藻魚図は今年、国内で存在が明らかになった。筆致や落款(署名や印)などから北斎筆で間違いないという。いずれも現在は個人蔵。
 西行図は、西行の後ろ姿に富士山を配する一般的な構図ではなく、西行の視線と遠方の橋から富士山を暗示する大胆な構成。北斎が同年描いた扇面(米ボストン美術館蔵)には富士山と橋があり、印が同一であることから、何らかの関係があるかもしれないという。
 藻魚図は、江戸料理の老舗「八百善」の当時の献立表が貼られた粋な表装で、同店の旧蔵品とみられる。
 国際北斎学会の遠藤欽久理事は「こう描くか、さすが北斎、と思った。すごみを感じる」と話している。
 華道家元池坊のいけばなと北斎の作品のコラボレーションもある「旧七夕会池坊全国華道展」(13~18日、京都高島屋など)への出展に先立ち、2日午後1時から池坊会館(中京区)で開かれる「池坊×北斎シンポジウム」(国際北斎学会主催)で、いけばなと共に公開する。無料。予約者優先で定員200人。