智弁学園-京都国際 4回表智弁学園2死一、二塁、小畠(手前)に3点本塁打を浴びた投手・平野=甲子園

智弁学園-京都国際 4回表智弁学園2死一、二塁、小畠(手前)に3点本塁打を浴びた投手・平野=甲子園

5回から登板し力投する森下

5回から登板し力投する森下

6回裏京都国際2死、セーフティーバントを決め一塁にヘッドスライディングする松下

6回裏京都国際2死、セーフティーバントを決め一塁にヘッドスライディングする松下

 28日、甲子園球場(兵庫県西宮市)で行われた全国高校野球選手権の準決勝。京都国際が2点を追う九回裏1死、逆転に燃える大黒柱の中川が打席に立った。直球に狙いを絞った4球目は外角の変化球。バットは空を切り、天を見上げた。「何もできなかった。バットで2年の森下と平野を支えられず悔しい」。後続も倒れ、京都国際の躍進の夏が終わった。

 打線が相手右腕の140キロ台の直球とスライダーに的を絞れなかった。四回は松下が右前打で出塁したが、中川が直球に詰まらされ遊ゴロ併殺。五回に金田の中犠飛で1点を返したものの、その後は松下のバント安打のみに抑えられ、反撃の糸口をつかめなかった。

 初出場で前橋育英、二松学舎大付、敦賀気比と甲子園常連校にしぶとく勝利し、京都勢16年ぶりの4強入りを果たした。小牧監督は快進撃の理由を「3年生の何が何でも勝ちたいという思いの結集」とたたえた。

 2年前は京都大会決勝でサヨナラ負け、昨年はコロナで大会が開催されず。夢破れた先輩の涙が、3年生の原点だった。練習試合ではコールド負けの連続だったが、後輩の森下と平野の投手を中心に今春のセンバツに初出場。甲子園で初勝利したが、それより次戦の逆転サヨナラ負けの悔しさをかみしめ、練習で1球への集中力を高めた。寮生活でも後輩を引っ張り、松下は「主将の山口を中心に『3年が率先して行動し、1、2年の見本になろう』と話し合ってきた」。

 試合後、歴史を切り開いてきたナインは達成感ではなく、悔しさを口にした。中川は「次は決勝に行って優勝してもらいたい」。甲子園準決勝で味わった悔しさが、次の歴史をつくる財産になる。