来年5月末で閉店する予定の京都マルイ。周辺では店舗間競争が激化していた(京都市下京区)

来年5月末で閉店する予定の京都マルイ。周辺では店舗間競争が激化していた(京都市下京区)

 京都・四条河原町の商業施設「京都マルイ」(京都市下京区)が、来年5月末で閉店することを決めた。「四条河原町阪急」の後継店として進出したが、店舗間競争の激化で売り上げが伸び悩んだ。全国的な傾向と同様に、京都、滋賀でも地域を代表する大型店の閉店や撤退計画が相次いでおり、商品やブランドを幅広くそろえた総合小売り業態の苦境が浮かび上がる。


 京都マルイは、四条河原町阪急の後継テナントとして、2011年4月に住友不動産(東京)が所有するファッションビルの地下1階~地上6階に開業した。
 ビルは阪急京都河原町駅に直結。観光客でにぎわう東山・祇園にも近い好立地で、女性向けの衣料や雑貨、化粧品の店舗を中心に展開するほか、総合免税店「ラオックス」を誘致して急増する外国人観光客の取り込みも図ってきた。
 運営する丸井グループ(東京)によると、近年の売上高は年40億円台で推移し、直近の18年度は過去最高の48億円だったが、当初想定していた目標には届かず、「10年間の契約満了のタイミングで撤退を決めた」(広報)という。
 近くには京都高島屋など大手百貨店が営業し、若者向けのブランドをそろえた「河原町オーパ」、専門店ビル「京都BAL」といった競合店も集積。12月には京都高島屋の南隣で京阪グループが商業施設とホテルの複合施設「グッドネイチャーステーション」の開業を計画し、一帯の集客競争が激化している環境も撤退の背景にありそうだ。
 京都マルイの売り場面積は延べ約8700平方メートルと一帯の大型店と比べて小さいこともあり、周辺の小売店関係者は「集客が苦しかったのでは」と推し量る。住友不動産によると、6月以降の後継テナントは未定で、7、8階で直営するレストラン街の営業は継続する方針。
 マルイの撤退は四条河原町の集客力や魅力の低下にもつながりかねず、地元の四条繁栄会商店街振興組合(下京区)の遊部尋志副理事長は「撤退は残念だが、一等地で後継が空白のままでは困る。商店街の一員としてまちづくりに取り組んでくれる小売店などに進出してほしい」と話す。
 インターネット通販の拡大や低価格の専門店の進出で、地方で営業する百貨店などが撤退する動きは全国で相次ぐ。京滋でもJR山科駅前の大丸山科店(山科区)が今年3月で閉店。小売り大手セブン&アイ・ホールディングス傘下の西武大津店(大津市)も、来年8月の撤退が発表された。
 生活スタイルや消費の形態が変化し、商圏人口も多くの地域で縮む中、多様な商品やブランドを取り扱う大型小売店は、出店戦略や業態の見直しを迫られている。