消費増税から1カ月がたち、駆け込み需要の反動が見られた百貨店では、売り上げの落ち込みが比較的大きかった(京都市下京区・大丸京都店)

消費増税から1カ月がたち、駆け込み需要の反動が見られた百貨店では、売り上げの落ち込みが比較的大きかった(京都市下京区・大丸京都店)

増税に伴う政府の主な消費刺激策

増税に伴う政府の主な消費刺激策

 消費税率10%への引き上げから1カ月超が経過した。高額品を扱う百貨店では駆け込み需要の反動がみられたが、外食と酒類を除く飲食料品などには軽減税率が導入され、スーパーなどでは売り上げに著しい変化は少ないようだ。キャッシュレス決済時のポイント還元事業など、消費の下支え策が盛り込まれたが、プレミアム付き商品券事業では、京都市内では対象者の低所得者のうち、申請者はまだ半数に達していない。


 政府が消費対策として導入したポイント還元事業の効果はまだ限定的だ。京滋で約80店を営業するスーパー「フレスコ」は、10月からキャッシュレス決済で代金の5%還元が始まった。運営会社によると、クレジットカードなどの利用が増えたが、10月の売り上げ動向は「前月や前年同月とほぼ変わらない」という。
 一方、百貨店は駆け込み消費で9月の売上高が大幅に増えた反動で、10月の売上高はジェイアール京都伊勢丹(京都市下京区)が前年同月比10%程度減、大丸京都店(同)も17%減を予想。「高額品が多く、増税後の伸び悩みは仕方ない」(大丸京都店)とする。

 

「国の支援策はそれほど浸透していない」と話すのは戸建て住宅販売エルハウジング(京都市右京区)の佐々木博樹取締役。住宅ローン減税の期間延長やすまい給付金の拡充といった住宅購入促進策について政府のPR不足を指摘する。税率が5%から8%に上がった2014年4月の増税前と比べて今回は駆け込み需要が少なく、10月以降も販売や問い合わせの数に変化はなかった。佐々木取締役は「長く住む住宅については冷静に見定める動きが目立った」と分析する。
 自動車販売の京都トヨペット(下京区)の10月の新車販売台数は、前月より302台減った491台を想定。ただ、9月に前回の増税前ほどの駆け込みが見られなかったため、10~12月の落ち込みは少ないとみる。
 また、住民税非課税や3歳半までの子どもがいる世帯が対象のプレミアム付き商品券事業では、対象者の低所得者のうち、京都市では購入を申請した人はまだ40%程度にとどまる。市は未申請の世帯に申請を勧めるはがきを10月31日、発送した。担当者は「申請数は日々増えているが、手続きが難しい、費用がいったん生じるという声がある」と語る。
 中小・小規模事業者が加入する全国商工会連合会の沖田康彦副会長(京都府商工会連合会長)は「増税後の1カ月で事業者の経営状況が悪化したとは思っていない」としつつ、不透明感を増す景気の先行きを警戒する。