京都大

京都大

 ヒトiPS細胞(人工多能性幹細胞)で骨格筋の再生を促す間葉系細胞を作り移植することで、筋肉が萎縮する難病「ウルリッヒ型先天性筋ジストロフィー(UCMD)」の病態を改善する可能性があることを動物実験で確かめたと、京都大iPS細胞研究所などのグループが発表した。再生医療への応用が期待できるという。国際学術誌ステム・セル・リサーチ・アンド・セラピーにこのほど掲載された。

 UCMDは筋力が徐々に低下する進行性の疾患で、国内に約300人の患者がいるとされるが、有効な治療法は確立していない。これまで骨格筋の再生などにかかわるタンパク質「6型コラーゲン」の欠損が原因と考えられてきたが、詳しい発症メカニズムは分かっていなかった。

 同研究所の櫻井英俊准教授らは、健常者のiPS細胞から6型コラーゲンを分泌する間葉系細胞を作製。このタンパク質を持たないマウスに移植したところ、骨格筋組織に定着し、6型コラーゲンを作り出すことに成功した。移植した細胞は徐々に消えるが、6型コラーゲンは約半年後でも残存していた。さらに移植した部位では骨格筋が再生され、その筋線維は何もしない場合に比べて約3倍の太さに成熟したという。

 櫻井准教授は「再生した筋肉がどの程度機能するのか検証が必要だが、UCMDの治療戦略の一つになるのではないか」と話している。