「千年に1度レベル」と聞いて、以前なら「まさか」と本気で想像しなかった。各地を襲った豪雨の猛威を見せつけられ、油断は禁物だと思い知らされた▼台風19号の上陸から3週間。何本もの大きな川が制御不能になった。長野市の千曲川堤防が決壊し、住宅地に泥水が押し寄せ、新幹線の車両基地が水没した映像は衝撃的だった。今も続く避難生活、泥かき、大量のごみ…▼京滋でも人ごとではないと思った人は多いだろう。2013年9月には京都市嵐山地区の桂川や、福知山市の由良川があふれた。嵐山から保津峡をはさんで上流の亀岡市でもJR亀岡駅構内が水没した▼洪水が多発した亀岡には、堤防の所々をわざと低くして増水時に水を逃がす「霞(かすみ)堤」という仕組みが残る。同様に霞堤がある長野県千曲市では市街地まで冠水したという▼亀岡市のかつての遊水地には京都スタジアムが完成間近となっている。日吉ダムができ、土地をかさ上げしても、浸水や周囲への影響を心配する市民は少なくない▼亀岡駅前に立つ「水害標識塔」は、1960年8月の水害で水位が9メートル25センチに達したと伝える。地域には災難を乗り越えてきた歴史がある。それでも想定外は起きうる。雨量や水位が増したら早めに避難して命だけは守る。教訓として再確認したい。