滋賀県米原市の小高い丘に、石造りの新名所ができた。羊飼いの家と羊小屋。小さな子どもや孫がいる家庭ならぴんとくるか。NHK教育テレビで放映されたクレイアニメの世界観を再現した庭園「ひつじのショーンファームガーデン」だ▼英国制作のアニメは、機転が利く若い羊とどじな牧羊犬、とぼけたおじさんが織りなす日常を描くコメディー。粘土像を1こまずつ撮影する技法で作られている▼古い4輪駆動車など頑固な英国スタイルを写す細部も見どころだ。変えないことへの自尊なのか、変われないことへの自嘲なのか。皮肉と風刺、ウイットに富んだ物語とともに大人もクスリとさせる▼変わろうとしているのか変わらないようにしているのか、外国人には理解しづらいのがEU離脱に関する英国の迷走だ。メイ首相は離脱期限の再延長を求めるという▼同国の作家プリーストリーは「イギリスの気候はユーモアに都合がいい。しばしば靄(もや)に包まれて、ものがはっきり見えるのはごくまれ」とけむに巻く。本気か冗談か分かりにくいのが気質ということか▼3月末に開園した庭園には問い合わせが殺到しているといい、10連休の人出が気になる。そのころ、あちらの靄は少しは晴れているだろうか。機知に富むショーンならメエ(名)案を思いつくのでは。