新型コロナウイルスの感染「第5波」のさなか、全国の小中高の大半で2学期がスタートした。

 感染力の強いデルタ株が広がり、10代以下の感染者の急増が目立っている。各学校とも細心の注意を迫られながらの再開である。

 文部科学省は、教室の換気、マスク着用など感染対策の徹底と検査の強化を打ち出し、感染者が発生した場合に休校などを判断する新たな指針も示した。

 学びの場を確保する観点で全国一律の休校は求めず、地域の感染状況に即した対処を求めた形だ。

 ただ、再開間もなく学校内外の状況悪化から休校や時間短縮、行事延期などが相次いでいる。子どもたちを感染から守りつつ、豊かな学びをどう保障するか、柔軟できめ細かな対応が求められる。

 20歳未満の感染者は8月24日までの1週間に全国で約3万人に上り、7月下旬の5倍強に増えた。

 さらに学校再開による拡大を懸念し、専門家から夏休みの延長検討も提起されたが、京都府など全国の大半は予定通り再開した。

 緊急事態宣言の追加発令と重なった滋賀県では感染者が出た学校で遅らせ、短縮授業や分散登校とした市町もある。学びの保障に加え、休校とした場合の保護者の影響も考慮したのだろう。

 文科省の新指針では、同一学級で複数の児童生徒の感染が判明した場合、5~7日程度を目安に学級閉鎖することを要請。別の学級に広がれば学年閉鎖、複数学年に及べば休校を実施するとした。

 宣言地域などで業務が逼迫(ひっぱく)する保健所の判断を待たなくても、目安に沿って学校設置者が迅速に決定できるようになるという。

 新指針は、濃厚接触者に該当する可能性のある児童生徒を特定する基準も示したが、学校現場には荷が重い。厚労省の分析で、子どもの感染場所は学校が24%、自宅は62%に上っており、家庭内感染対策との連係が必要だろう。

 休校したり、濃厚接触者になったりした場合、オンライン授業で自宅学習が受けられる十分な環境整備が急がれる。

 政府は、最大約80万回分の検査キットを新学期の小中学校に配る。体調異変を感じた児童生徒や教職員が使い、感染者の早期把握につなげる考えだ。

 京滋では宣言中の部活動中止に加え、修学旅行や体育・文化祭などの延期・縮小も相次いでいる。

 徹底した予防対策と、迅速な対処で集団感染リスクを抑え、安心して学びや行事を続けられる取り組みが問われよう。