アルミ板の壁や扉の内面にステレオグラムを施し、外面に漆を塗った厨子。それ以外の部分は従来通り、ヒノキに漆を塗っている

アルミ板の壁や扉の内面にステレオグラムを施し、外面に漆を塗った厨子。それ以外の部分は従来通り、ヒノキに漆を塗っている

厨子の内面に浮かぶ文字「空」をイメージした紙を持つNao漆工房の小畑社長(左)と、ナンゴ-の南郷社長=宇治市宇治・市役所

厨子の内面に浮かぶ文字「空」をイメージした紙を持つNao漆工房の小畑社長(左)と、ナンゴ-の南郷社長=宇治市宇治・市役所

 仏像や位牌(いはい)を安置する仏具「厨子(ずし)」の壁や扉をアルミニウム板にし、その内面に絵や文字が浮かび上がるステレオグラム、外面に漆を施した新商品が完成した。京都府宇治市内の金属機械加工会社の精密な技術と、京都市内の漆工房による技が融合し、伝統工芸品に新たな風を吹き込んでいる。

 仏壇や仏具の新調・修復を手がける「Nao漆工房」(京都市南区)が「若い世代にも漆製品に注目してもらおう」と、「ナンゴー」(京都府宇治市白川)に声をかけて連携し、7月に完成させた。両社は、京のものづくり現場をオープンにする今年2月のイベント「Design Week Kyoto」で出会ったという。

 ナンゴーは通常は紙など平面に施すステレオグラムを、厚みのある金属にも独自の技術で凹凸をつけることで可能にしている。ナンゴーは今回の厨子(高さ約60センチ、幅約40センチ、奥行き20センチ)でも、厚さ4ミリのアルミでできた壁や扉の内面に文様を施し、目の焦点をずらして眺めることで正面の壁に文字「空」(8センチ四方)が浮かび上がるようにした。

 同工房も、ステレオグラムを施したアルミ板の外面に漆を塗ったが、通常の木よりも漆がしみこみにくい金属製だけに、密着材を間に塗ることで丁寧に仕上げた。Nao漆工房の小畑直樹社長(57)は「梵字(ぼんじ)や家紋などを施せば、独自の厨子ができる」とアピールし、ナンゴーの南郷真社長(59)は「3~4文字は浮かび上がらせられる」とする。

 商品の問い合わせは、小畑社長090(7551)7195。