報告書について三日月知事に説明する野田部会長(大津市・県庁)

報告書について三日月知事に説明する野田部会長(大津市・県庁)

 滋賀県草津市で2017年8月、男児=当時(3)=が父親に踏みつけられるなどして死亡した事件を調査してきた滋賀県社会福祉審議会の児童虐待事例検証部会は5日、市と県の支援の在り方や再発防止策をまとめた報告書を三日月大造知事に提出した。虐待の危険性を判断するための情報収集やリスク管理が不十分だったとし、関係機関との緊密な連携、マニュアルやアセスメントシート(評価表)の整備などを求めた。

 部会は弁護士や医師ら7人で構成。18年2月~7月まで5回の会合を開き、市家庭児童相談室と地域保健課から聞き取り調査した。

 報告書では、市職員が家庭訪問した際に父親が男児の頭をたたく姿を見ていたり、男児が過去に自宅でけがをしていたにも関わらず「要保護」家庭と区分せず、適切な情報収集やリスクの管理、評価がなされていなかったとした。

 父親が市の育児支援サービスを拒否した背景には、有料という誤った認識があったとした上で「サービスの利用を拒否した時点でリスクが高いと考えるべき」と対応の改善を促した。県にはマニュアルや評価表の整備を、県子ども家庭相談センター(児童相談所)には児童福祉司や児童心理司が個別ケース検討会議で助言・指導するよう求めた。

 県や県内市町に寄せられる2017年度の児童虐待相談は6392件で、部会長を務める立命館大産業社会学部の野田正人教授は「個々のリスクをどう読み取り、SOSをどうやって県の支援につなげていくかが課題」と話した。三日月知事は「報告書をしっかりと咀嚼(そしゃく)して今後の対策に生かしたい。市町との連携、分担についても考えていく」と応じた。