競泳男子100メートルバタフライ(視覚障害S11)優勝して金メダルを獲得し、2位の富田(右)と抱き合う木村=東京アクアティクスセンター

競泳男子100メートルバタフライ(視覚障害S11)優勝して金メダルを獲得し、2位の富田(右)と抱き合う木村=東京アクアティクスセンター

 東京パラリンピックの競泳男子100メートルバタフライ(視覚障害S11)が3日、東京アクアティクスセンターで行われ、滋賀県栗東市出身の木村敬一(30)=東京ガス=が1分2秒57で金メダルを獲得した。4大会連続出場となる木村にとってパラのメダルは通算8個目となるが金は初めて。

 木村は勢いよくスタートを切り、28秒31で1位ターン。ダイナミックな泳ぎを貫き、悲願の世界一に輝いた。木村は涙ながらにインタビューに応じ「この日のために頑張ってきた『この日』って本当に来るんだなと思った。特にこの1年いろんなことがあって、この日は来ないんじゃないかと思ったこともあった。ちゃんと迎えることができて幸せ。家に帰って思い切り泣きたい」と語った。


(記録は速報値)

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 子どもの頃から好奇心旺盛で、運動神経も良かった木村。補助輪なしで自転車を乗りこなし、後ろから支えてもらいながらスキーも滑った。家族で魚釣りやスケートに出かけ、琵琶湖でも泳ぐなど活発に育った。

 小学1年から滋賀県立盲学校の寄宿舎で暮らし、4年で水泳を始めた。中高は「同世代の多くの子と接することができるように」(父・稔さん)と、東京都の筑波大付属視覚特別支援学校へ。指導者に恵まれ、2008年北京大会以降、パラ3大会に出場した。2016年の前回リオ大会で銀、銅計4個のメダルを獲得したが、目標はあくまで「金」だった。

 新たな環境を求め18年春に単身渡米して武者修行に励んだ。20年3月、拠点にしていた大学がコロナで閉鎖され帰国。翌月に帰省し、栗東市の実家で室内用バイクで体力維持に努め、再開した近隣のプールを借りての練習にも励んだ。昨年6月に東京都のナショナルトレーニングセンターに戻り、延期の1年も鍛錬を積んだ。

■きむら・けいいち

 2歳の時に病気で視力を失い、小学4年で水泳を始めた。パラリンピックは北京大会から連続出場し、今回で通算8個目のメダルとなった。171センチ、68キロ。30歳。栗東市出身。