自転車で「けんけん乗り」をする人をめっきり見なくなった。片足でペダルを踏み、もう一方で地面を蹴り助走してからまたがる乗り方だ▼電動アシスト自転車の説明書を見ると「けんけん乗りはしないで」と警告文があった。不安定な姿勢のまま急加速してしまうからだ。モーターが発進や坂道で威力を発揮してくれる証しだ▼自転車産業振興協会によると、2018年の国内生産台数のうち電動アシスト車は全体の65%を占める55万3千台。15年間で2・4倍になった。人口が減る中で成長産業となっている。電源は吉野彰さんのノーベル化学賞で注目されたリチウムイオン電池が主流。ここにも功績が及ぶ▼09年に3人乗りが解禁され普及に拍車がかかった。子育て世代や通勤通学の人をはじめ運転免許を返納した高齢者の需要もある▼この夏、丹後地域を電動アシスト車で巡るツアーが始まった。「伊根湾一周」には外国人観光客らが参加し、長距離や高低差を苦にせず観光を楽しんでいたという▼一方、18年の事故件数は2243件で09年と比べ約2倍に(交通事故総合分析センター調べ)。スピードが出て重量もあるので誤ると凶器になる。「けんけん」はもちろん「立ちこぎ」もご法度。初めての人は要注意だ。文明の利器を上手に乗りこなしたい。