亡くなった母親の写真を前に旧満州からの引き揚げ体験を語る黒田さん(京都市南区・唐橋公民館)

亡くなった母親の写真を前に旧満州からの引き揚げ体験を語る黒田さん(京都市南区・唐橋公民館)

 平和の尊さを伝える「原爆と戦争展」が4日、京都市南区の唐橋公民館で始まった。戦後、旧満州から引き揚げた京都府亀岡市の黒田雅夫さん(84)が家族と死別し、孤児になって生き延びた壮絶な体験を来場者に語った。
 

 京都市民らでつくる「京都原爆展を成功させる会」が各地で開いている。会場には太平洋戦争における戦地の惨状や原爆の被害を伝えるパネル約100枚を展示した。

 黒田さんは開拓団として家族と旧満州に渡り、8歳の時に終戦を迎えた。旧ソ連軍から逃げて日本を目指したが一家離散し、母親や祖父は寒さと飢えの中で亡くなった。やせ細った母親の遺体を運んだことを思い返し、「一人になった時にさみしくなると顔は見られなかった」と話した。

 教会に保護されるなど偶然が重なり亀岡市の祖母の元に帰れた。現在は地元の小中学校などで語り部を続けており、「平和のために1人でも多く戦争を知ってほしい。1回でも多く話したい」と力を込めた。

 6日まで。午前10時~午後5時(6日は午後4時まで)。各日、午後2時から別の戦争体験者の講演がある。無料。