力走する男子マラソン(視覚障害T12)の堀越=国立競技場 

力走する男子マラソン(視覚障害T12)の堀越=国立競技場 

力走する男子マラソン(視覚障害T12)の和田=国立競技場 撮影・三木千絵

力走する男子マラソン(視覚障害T12)の和田=国立競技場 撮影・三木千絵

 東京パラリンピックの男子マラソン(視覚障害T12)が5日、東京・国立競技場を発着点に行われ、京都府京田辺市を練習拠点にしていた堀越信司(NTT西日本)が、2時間28分1秒で銅メダルに輝いた。

 リオデジャネイロ大会で4位だった堀越は、終盤に猛追を見せて3位でフィニッシュ。ゴールの瞬間、大きな雄叫びを上げ、初のメダル獲得を喜んだ。

 堀越は「東京パラリンピックが決まった2013年から8年間いろんなことがあった。故障もあり、つらい経験をしてきた。そのたびにサポートや応援を受け、その人のために、何より自分のためにメダルを取って帰ろうと思った。皆さんに取らせてもらった。諦めずに今まで走り続けて良かった」と話した。

    ◇

 堀越は2019年4月のロンドンマラソンでいち早く東京パラの出場を内定させた。ペースの変化に落ち着いて対応して3位。「東京にも出るであろう選手と、しっかり勝負できた」。手応えをつかんだ大会だった。

 同年7月に右膝を故障。以来、回復と再発を繰り返してきたが、20年2月の別府大分毎日マラソンに挑んだ。給水所の机に激突して転倒するアクシデントを乗り越えて優勝。「どんな状況でも走りきる力をつけるのは大事」と不屈の精神を体現した。

 2011年からNTT西日本に所属。陸上部の寮がある京田辺市を拠点に、他の部員とともに走り込んできたが、18年から練習環境を変えた。「自分が納得する形で東京を狙いたい」と大阪市に引っ越して独自にトレーニングするようになった。ペースを上げず長い距離を走るメニューを重視し、30歳を越えても成長を続ける。

 パラについて「東京があるから競技にしがみついてきた」と強い決意を秘める。スポーツの祭典は、コロナ禍を乗り越える力になると信じている。「オリンピック、パラリンピックは夢の象徴。子どもたちの将来にとっても大きな存在となる」

 ほりこし・ただし 先天性の網膜芽細胞腫により、右目の視力を失い、左目の視力は現在0・03。パラリンピックは、北京大会で1500メートルと5000メートルに出場。ロンドンは5000メートル5位。リオはマラソンで4位。33歳。長野市出身。