合気道に打ち込んだ自身の体験を著書にまとめた岡本七段(右)と、編集に携わった上瀬さん(左)=京都市上京区・合気道京都西陣道場

合気道に打ち込んだ自身の体験を著書にまとめた岡本七段(右)と、編集に携わった上瀬さん(左)=京都市上京区・合気道京都西陣道場

 京都で合気道の道場長を務める岡本洋子七段(64)=京都市上京区=が世界を巡り、道を追究してきた40年余りの歩みを初の著書にまとめた。合気道熱や同志との交流を感性のままに描写し、武道の国際性を説く。

 岡本さんは22歳の時に合気道に出合い、語学留学先のパリではフランス人師範に薫陶を受けた。東京の本部道場で稽古を重ね、夫の母国である米国・ポートランドに14年間住み、道場を立ち上げた。帰国した2003年に「合気道京都」を設立。08年から西陣の織物工場跡に道場を構えた。

 国際経験も豊かな女性武道家は存在感を放ち、4年前、出版業界で働く門下生の上瀬奈緒子さん(43)=伏見区=から執筆を勧められた。「合気道は語れるものではない」と渋ったが、熱意に押され、「世界で合気道が学ばれていることを伝えるなら」と自身の経験を書き起こした。

 本のタイトルは「Out of the World 武道は世界を駆けめぐる」。11年に西アフリカのトーゴの道場に講習で招かれた1週間をルポルタージュで紹介したり、稽古に明け暮れた20代のパリ生活、育児をしながら合気道を広めたポートランドの思い出などをつづる。京都での道場探しや指導の心構えも語り、美しいモノクロ写真が凛とした姿を際立たせる。

 岡本さんは「飾らずに書くことを一番大切にした。飾らないことは合気道と同じ」とありのままを表現したという。「日本の武道は地球の裏側にまで浸透している。日本人としてもう一度武道の精神を見つめ直すきっかけにしてもらえたら」と自著にささやかな願いを込めている。