大正期の1917年に完成した日の出湯(舞鶴市東吉原)

大正期の1917年に完成した日の出湯(舞鶴市東吉原)

日の出湯の前で銭湯の魅力を語る徳永さん(舞鶴市東吉原)

日の出湯の前で銭湯の魅力を語る徳永さん(舞鶴市東吉原)

 国の登録有形文化財である銭湯が2軒残る京都府舞鶴市で、銭湯を盛り上げる活動をしている男性がいる。徳永啓二さん(52)=同市。銭湯を会場にイベントを開催するなど、その魅力を発信し続けている。徳永さんに思いを聞いた。

 百年以上の歴史がある舞鶴市東吉原の銭湯「日の出湯」。江戸時代から続く漁師町の一角にある木造建築の湯船につかり、リラックスする。「体がよく温まるいいお湯。コロナ禍が開ければ、イベントもして、舞鶴の銭湯を盛り上げたい」。

 市内には、日の出湯と明治時代創業で大正時代の洋風建築を残す「若の湯」(同市本)の2軒が残り、どちらも国の登録有形文化財だ。二つの銭湯を中心に用事が無い限りは毎日、銭湯に入る。

 まちづくりに取り組む一般社団法人「KOKIN」銭湯部の部長として、銭湯を盛り上げる企画を手がける。若の湯ではTシャツなどのグッズや顔出し看板をつくり、ビアガーデンや銭湯に関する講演会も催してきた。

 銭湯にはまるきっかけは建築だ。東舞鶴出身で20代から大工の仕事を続けてきた。古い建築物が好きで、京都市や八幡市の花街などの街歩きをするうちに各地に残る銭湯にも目が向いた。「古い建物に入れてさらに湯船につかると気持ちいい。土地の楽しみ方の一つとして銭湯を巡ってほしい」と呼び掛ける。

 銭湯愛好家がボランティアで銭湯のタイルの目地を補修する「県境なき目地団」にも参加。兵庫県や愛知県、広島県などに出向き、作業にあたる。2019年に閉店した、大阪と京都の様式を併せもつ福知山市の櫻湯の維持にも関わる。

 「櫻湯は国の有形文化財の価値がある銭湯で、できれば復活したい。兵庫県豊岡市にも古い銭湯があり、京都丹後鉄道で巡れる。北近畿が老舗銭湯の聖地になれば」と思いを巡らせる。