新作能「媽祖」公演とクラウドファンディング実施を発表する観世流能楽師の片山九郎右衛門さん(左)と原作を担当する作家の玉岡かおるさん=京都市東山区

新作能「媽祖」公演とクラウドファンディング実施を発表する観世流能楽師の片山九郎右衛門さん(左)と原作を担当する作家の玉岡かおるさん=京都市東山区

 観世流能楽師の片山九郎右衛門さんが企画、指揮を手がける新作能「媽祖(まそ)」が来年4月、京都市左京区の京都観世会館で上演される。公演資金を募るクラウドファンディング(CF)が9日、京都新聞社などが運営する「THE KYOTO Crowdfunding」で始まった。

 道教の女神「媽祖」は航海や漁業の守護神として、台湾や中国沿海部を中心に東アジア各地で信仰されている。

 新作能のきっかけは、九郎右衛門さんが約20年前に台湾の知人から媽祖を能で演じるよう提案されたこと。コロナ禍で海外と自由に行き来できない状況から、「媽祖の物語を通じてアジアをはじめとする各国の人たちと心を通わせたい」(九郎右衛門さん)と企画した。

 公演は2022年4月2日の午後1時と5時からの2回。九郎右衛門さんが媽祖を演じるほか、狂言師の野村萬斎さんと茂山逸平さん、能楽師の宝生欣哉さん、味方玄さん、分林道治さんが出演する。作家の玉岡かおるさんが初めて能の原作、台本を手がける。

 CFで目標金額を達成した場合に限り公演を実施する。チケットはCFの返礼品としてのみ入手が可能で、通常販売は行わない。オンラインでも配信する。

 九郎右衛門さんは「媽祖は疫病や災害、戦争などから人々を守る女神でもある。能という伝統芸能を通じて平和を願うメッセージを広く届けるため、多くの方々にご協力いただきたい」と話した。