第1湖盆の酸素濃度の変動

第1湖盆の酸素濃度の変動

 滋賀県はこのほど、琵琶湖北湖の第1湖盆(水深約90メートル)の一部の地点で、湖底の生物に影響が及ぶとされる酸素濃度の基準値を下回ったと発表した。現時点で、生物や水質への影響は確認されていないが、県は監視体制を強化する。

 湖底の酸素濃度の基準値は1リットルあたり2ミリグラム。同値を下回ると、湖底に生きるイサザやスジエビが生存できなくなる恐れがあるほか、酸素と結合している湖底の泥に含まれるマンガンなどの重金属類が溶け出し、水質悪化につながる。

 県琵琶湖保全再生課によると、湖底の酸素濃度は年間を通して2ミリグラムを下回ることは少ない。一方、冬の冷え込みで表層と湖底の水が混じり合い、湖底に酸素が行き届く「全層循環」が起きない年は、低酸素状態に陥りやすく、生物への影響も大きいという。

 第1湖盆には、7地点の観測ポイントがあり、県が毎月2回、水質や酸素量を調査している。今年の酸素量は、昨年確認された全層循環の影響で、平年に近い値で推移を続けてきたが、8月30日の調査で、1地点(L点)が基準値を下回る1・7ミリグラムを記録。今月6日には、別地点(E点)も1・8ミリグラムとなった。生物や水質への影響は、確認されなかった。

 一部地点が低酸素状態となった要因について、同課は「湖内の水をかき混ぜる台風に伴う強風が少なかったことや大型の植物プランクトンの発生で、湖底付近のバクテリアの活動が活発になり酸素を消費したのではないか」とみている。同課は調査回数を月4回に増やし、湖底環境の変化や影響を調査する。