大学進学で京都に出て、都会の第一印象は夜の明るさだった。居酒屋にファミレス、そしてコンビニ…。とはいえ30年余り前は今ほど店の数がなく、バイト帰りに一つ手前の駅で降りて店内をうろつくのが最後の日課だった▼以後も旬のタケノコのように伸び広がったコンビニ業界が一つの転機を迎えている。看板の24時間営業は「もう限界」という系列店主の叫びに、最大手チェーンが社長交代と見直し着手を迫られるに至った▼問題提起は、現下の深刻な人手不足にとどまらず、看板を第一とする運営本部とフランチャイズの関係、片時も休まないコンビニエンス(便利)社会そのものにも向けられているようである▼10年前、京都市などで温暖化防止を主眼とした深夜営業の規制が議論を呼んだことがある。コンビニ業界は猛反発し、客の利便や防犯の灯台としての役割をアピールした▼その後の店舗数やサービス内容の大幅拡大に加え、災害時の物資協力などで、今やコンビニは地域の重要な生活インフラともなっている。それが人口減時代に入り、いつでも開いている安心感の足元が揺らいでいる▼暗夜にホッとできて温かい明かりの下には、懸命に支えて働く人がいる。疲弊して「灯台もと暗し」とならないように便利さを見つめ直す時期に来ている。