「勧進帳」の上演に向けて稽古を重ねる子ども役者ら(滋賀県長浜市元浜町・神戸町会館)

「勧進帳」の上演に向けて稽古を重ねる子ども役者ら(滋賀県長浜市元浜町・神戸町会館)

 滋賀県長浜市内の長浜曳山(ひきやま)まつりで披露される「子ども歌舞伎」の稽古が、13日の開幕に向けて熱を帯びている。今年の出番山の子ども役者たちが厳しい指導を受けながら、役づくりに励んでいる。

 今年の出番山は、常磐山(ときわざん)(呉服町組)、孔雀山(くじゃくざん)(神戸町組)、翁山(おきなざん)(伊部町組)、萬歳樓(ばんざいろう)(瀬田町組)。

 このうち孔雀山は「歌舞伎十八番」で知られる演目「勧進帳」を上演する。曳山博物館(同市元浜町)によると、勧進帳は1987年以来32年ぶり。「子ども歌舞伎が始まった江戸時代から数えても、今回で3回目ほどという珍しい演目」と森岡榮一学芸員は言う。

 源義経の奥州への逃避行を下敷きに、山伏一行に化けて加賀・安宅の関を突破しようとする義経、弁慶主従と、これを捕らえようとする関守富樫が問答で火花を散らすという粗筋。指導する振付(ふりつけ)の千川貴楽さん(56)=山形県酒田市=は「せりふが難しく、華を添える女形もいない中で、熱のこもった人間同士のせめぎ合いを力強く表現するのが見せどころ」と話す。

 大役の弁慶を演じる長浜北中1年高橋路由さん(12)は「主君の義経を守ろうとする必死な思いを演技に込めたい」。富樫役の長浜小6年佐藤遼介君(11)は前回の出番山では女形を務めた。「女形と違って声を低く、腰に力を込めて歩いて、迫力が出せるよう心掛けている」と意気込む。

 子ども歌舞伎は13日夕に始まり、16日まで中心市街地で上演される。