3代目唐崎の松の種から育った苗木を受け取る佐藤園長(左)=大津市唐崎1丁目・唐崎神社

3代目唐崎の松の種から育った苗木を受け取る佐藤園長(左)=大津市唐崎1丁目・唐崎神社

 近江八景の「唐崎の夜雨(やう)」で知られる「唐崎の松」=大津市唐崎1丁目=の苗木が4日、新潟県新発田市の国指定名勝の庭園「清水園」に贈られた。園の唐崎の松を模した松が衰弱し、「本家の松を」という市民らの要望に、管理する日吉大社(大津市坂本5丁目)が応えた。関係者は大切に育てられることを願っている。

 唐崎神社境内にある唐崎の松は、横に枝を広げるクロマツで、現在は3代目。先代は歌川広重の浮世絵にも描かれた。近年樹勢が衰えたため、2012年から3代目の種から後継樹を育てており、うち1本を贈った。

 清水園は新発田藩の大名溝口家の下屋敷で、草書の「水」の形をした池泉を配した回遊式庭園。唐崎の松に見立てていた松は園の象徴として親しまれていたが、衰弱により昨夏伐採された。

 この日は神事の後、高さ約2メートルの苗木が馬渕直樹宮司から佐藤隆男園長に渡された。馬渕宮司は「4代目とともに力を合わせるように育ってほしい」、佐藤園長は「とても名誉で、松は宝。園の名所になるだろう」と喜んだ。

 唐崎の松の苗木は、東日本大震災で津波被害を受けた宮城県気仙沼市にも被災者の要望を受けて贈られ、3月開館した市東日本大震災遺構・伝承館近くの慰霊碑のそばにも植えられた。

 同大社松守の辻井博行さん(49)は「東北ではみなさんの心の支えになれば。2本とも大きく育ってほしい」と話した。