京都市出身の指揮者佐渡裕(60)が今秋、左京区岡崎で新装6年目を迎えたロームシアター京都で初めてタクトを振る。以前の京都会館は、小、中学生時代に在籍していた市少年合唱団や母校・堀川高(現京都堀川音楽高)の発表会で舞台に立つ一方、市交響楽団の定期会員として客席にも通い詰めた思い出の地。還暦を迎えた人生とともに、京都での青少年期を振り返った。

 「京都会館のそばには移転前の堀川高と京都市立芸術大があって、岡崎は音楽家としての僕を育ててくれた。今も美術館や動物園があるし、かつてはスケート場もあった。少年時代の僕にとっては『文化の集まる遊園地』といってもいい、心ワクワクする存在だった」と懐かしむ。

 新しくなったロームシアターにも、足を運んだ。「音響は実際に音を鳴らしてみないと分からないが、外観は前の雰囲気を残しながら、館内にはカフェや市民が気軽に憩える空間がある。品格があって敷居の高さを感じさせないバランスがいい」と気に入っている。

 2011年、50歳で子どものころから憧れだったドイツのベルリン・フィルハーモニー管弦楽団の定期演奏会で指揮、今年5月に還暦を迎えた。「目の前にあるステージを毎回、緊張しながら臨む気持ちは、若いころと少しも変わらない。60歳は通過点のつもりだが、中間の……