がん免疫療法の一つであるPD1抗体オプジーボの効果を高める可能性がある化合物を開発したと、京都大のグループが発表した。細胞小器官のミトコンドリアを活性化し、免疫細胞が増えることをマウスの実験で確認した。成果は米科学誌セル・ケミカル・バイオロジーに14日掲載される。

 2018年にノーベル医学生理学賞を受けた本庶佑(ほんじょ・たすく)・京大特別教授が開発に関わったPD1抗体は、さまざまながんへの有効性がある一方、半数以上の患者では効き目がない課題がある。原因として、がんを攻撃する免疫細胞のエネルギーを作るミトコンドリアの不足が考えられている。

 京大理学研究科の杉山弘教授と京大物質-細胞統合システム拠点(アイセムス)のガネシュ・パンディアン・ナマシヴァヤム講師らは、ミトコンドリアを活性化する遺伝子を刺激する化合物「EnPGC1」を開発。EnPGC1を加えると、細胞内のミトコンドリアが1・5倍になることを確認した。免疫を担うT細胞も約2倍になっていた。腫瘍を移植したマウスに、PD1抗体のような効果のある薬剤と併せてEnPGC1を投与すると生存率が向上した。

 杉山教授は「今後、ヒトに投与してPD1抗体の効果を増強できる可能性を探りたい」と話している。